なにもないのにある島、奄美大島。

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「奄美大島」と聞くと、あなたはどんなイメージを持つだろうか。

…沖縄に似て非なるもの。
…遠くて不便なところ。

私はそんな感じだった。
ところが、下記のプロジェクトを知って、がぜん奄美大島に関心を持つようになった。

「フリーランスが最も働きやすい島化計画」

その当時から「働き方」「暮らし方」のテーマに関心があった私は、このプロジェクトに興味を持ったことがきっかけで2016年4月に奄美大島に行き、プロジェクトとは全く関係なく、すっかりこの島を好きになった。

そして2017年1月28日、再び奄美大島にやってきました。

3人

以前から、「もう30代にもなったし、親を旅行に連れていけるくらいの甲斐性はほしい」と思っていた私は、34歳にして両親を旅行に連れ出すことに成功しました。

■どうやって行くの? 奄美大島
前回も今回も、奄美大島にはLCCのバニラエアを使っていきました。これが恐ろしく安い。通常は5840円~だし、キャンペーンの時は3800円くらいのチケットが出る。空港使用料などが別途かかるが、往復1万円くらいで行ける計算になる。新幹線で考えたら、仙台までも行けない(笑)
出発は成田になるが、今は東京駅から東京シャトルが900円~で出ている。スーツケースを引きずってモノレールでちんたら羽田に行くより、勝どき暮らしの私にはよっぽど楽だ。
ちなみに、LCCには賛否両論あると思うけれど、私はこれまでにLCCで3往復しているが(奄美2回、台湾1回)、国内やアジア近隣であれば全然これで十分だと思っている。別に機内食なくていいし、ほしくなったらお金を払えばおいしいご飯が購入できる。席は若干狭いかもだけど数時間のことだし、座席にモニターなんかついていなくてもやることはたくさんある(余談ですが、座席のモニターは今後LCC以外にもなくなる傾向にあると聞いた。みんな映画見たければ自分のデバイスで見ればいいからね)。

ばにら

■奄美大島おすすめスポット(海編)
2度にわたる旅で、奄美大島の主要道路はほぼ走り尽くしました(笑)
そこで、私がオススメする奄美大島のスポットをご紹介します。
あくまで個人の主観ですし、その時の天候とかいろいろありますので、まあ軽い参考程度にお願いします。

第1位 土盛海岸(ともりかいがん)
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個人的に、ここは外せません。
空港の少し北側にある土盛海岸。ある雑誌のアンケート調査では「島の人がイチオシの海岸」1位にもなった海岸です。ここの素敵なところは、浅瀬の中に砂浜ゾーンと岩礁ゾーンがあり、ただの海水浴からシュノーケリングまで楽しめること。ちなみに前回4月に行った際は、簡単なシュノーケルだけで、色とりどりのお魚と戯れることができました。
そしてもうひとつおすすめのポイントは、その時々で変わる豊かな海の表情。
下の写真は、2016年4月に撮った日中の写真。

ともり
ほぼ、同じ場所です。私はどっちの表情も好き。
ちなみに、今回はドローンのDobbyちゃんにも活躍してもらいました。

第2位 あやまる岬
ここも名所として有名ですが、今回初めて行きました(そして速攻気に入りました)。
平らな海岸部分と山がちな地形部分がわりとはっきり分かれている奄美大島の中で、丘の上から海を一望できる名所です。「あやまる」という名前に目が行きがちですが、意味は「周囲の地形が、この地域で代々少女たちが織っている綾織の手鞠に見える」から、「あや・まり」が「あや・まる」になったそうです。

あやまる2 あやまる

同率第3位 ハートロック
ここは、奄美大島の観光ガイドには必ずと言っていいほど載っているスポットです。が、実際にたどり着くのはなかなか大変。理由は2つあって、この岩、常に見れるわけじゃなく、干潮時でないと現れない。もう一つの理由は、海岸のどこにあるのか何の目印もない^^;
奄美大島はまだまだ観光地化されていないので、こういう「行ったけどどこかわからない!」ということが多々あります。そんな欲がないところが私は好きです(笑)

ハートロック

同率第3位 ホノホシ海岸
こちらは島の南側。瀬戸内町という地域にある海岸です。これまでの砂浜と違って、ここはころころと角が取れた石でできた海岸です。波が引くときに、カラカラカラカラ、、、と石が音を立てるんです。少し辺鄙なところにありますが、私は好きです。何時間でも石の音を聞いていたい。
ホノホシ1 hの星2

■奄美大島おすすめスポット(食編)
これは個々人の好みとどこに宿を取ったかに左右されるので何とも言い難いですが、奄美大島の食情報は限られているので、あくまで主観ですがまとめました。ここは順位付けが難しいので並列してご紹介♪

おすすめ① 食酒房 旬(くいしんぼう しゅん)
奄美大島に行ったら必ず寄っている居酒屋さんです。島の南側にある「瀬戸内町」の古仁屋という港町にあります(この古仁屋から加計呂麻島へのフェリーが出ています)。このお店との出会いは本当に偶然で、奄美で初めて泊まったお宿のご主人のおすすめだったんです。おっかなびっくり行ったら、すごく素敵な看板娘さん(と言ってもご結婚されています^^;)が迎えてくれて、イケメンのご主人と一緒に、奄美料理のこと、黒糖焼酎のこと、観光地のこと、いろいろ教えてくれました。周りのお客さんたちもみんないい人ばかりで、ずいぶん可愛がってもらいました。お料理もおススメです。安くてうまい。写真はお気に入りにの、豚肉の味噌漬け。超絶品。

しょく

おすすめ② ひさ倉
奄美大島の名物料理と言ったら、おそらく「鶏飯」を挙げる人が多いでしょう。名物に美味いものなし、っていうケースもありますが、鶏飯はまじめに美味いです。鶏出汁のきいたお茶漬けみたいな感じです。その鶏飯屋さん中でも一番有名なのがこちらのひさ倉。鶏飯以外にも、新鮮な鶏を使った鳥刺しは超絶美味い。お昼時になると観光バスがバンバン来ます。が、店内がかなり広いので安心を。お昼時じゃなくても休憩なしでやっているのもありがたいポイント。奄美大島は本当に飲食店が限られているので^^;

けいはん とりさし

おすすめ③ 野の花
こちらは、空港からクルマで15分くらいのところにある、島料理をバイキング形式で楽しめるお店。ただ、営業が不定期かつ、商売っ気がない奄美大島らしく看板もないので、行くつもりでいるなら先に電話するのをお勧めします。私もよくいく東京の飲み屋の常連さんに教えてもらって行ってみたのですが、一度目はお休み、二度目も迷子になりながらやっと到着、という感じでした。写真の通り、本当に民家みたいです。でもそれがいいんですよね。元気な島のおじーとおばーが切り盛りしているお店です♪

  

おすすめ④ 島とうふ屋
奄美大島でレンタカーを借りる人なら、おそらく絶対にお世話になるであろう国道58号線。空港から島の中心部の方に向かっていくと左手にあるお店です。ここは、島の中では珍しく(?)すごく近代的というか、東京のカフェみたいな印象です。お料理もカフェごはんみたいでしょ?相当ボリューミーですが(笑)でもこれで1700円なんです。しかも、写真には載っていませんが別途お豆腐掬い放題(笑)THE島の飯!って感じではないですが、まず間違いなく多くの方に喜んでいただけるお味です。お豆腐が嫌いとかじゃなければ(笑)

しまどうふ

■奄美大島おすすめスポット(観光編)
さて、ここからはおすすめの観光スポットのご紹介です。

おすすめ① 泥染め体験
奄美大島といえば、大島紬を思い出す方も多いのではないでしょうか。紬の着物の女王様ですね。その糸は、奄美大島の泥を使って染められています。元呉服屋としては、体験せずにはいられません。というわけで、行ってきました♪私が行ったのは肥後染色さん。お店にハンカチサイズのものから、Tシャツ、スカートなど、白地のものが用意されていて、私はワンピースを選びました。上が泥染め、下が藍染です。たぶん1時間間くらいでできたと思います。その日に持って帰れます。職人さんが丁寧に教えてくれるので、誰でも安心してできますよ♪

そめ2 そめ

おすすめ② マングローブでカヌーツーリング
奄美大島の真ん中あたりは、実は海というより山と緑に囲まれています。そしてマングローブの原生林が広がっています。ここをカヌーでツーリングできるのですが、これがかなりおススメ。初心者でも問題なくできます。ただ、ハートロック同様、潮の満ち引きに要注意。こちらは干潮だと海水が引いてカヌーが進みません。私はマングローブ茶屋さんにお世話になっています。なんと、1回(90分)たったの1500円。沖縄で同じことをしたら倍以上かかります。さすが島価格^^;

まんぐろ まんぐろ2 まんぐろ3

おすすめ③ 黒糖焼酎工場見学
奄美大島と言ったら、お酒が好きな人なら真っ先に「黒糖焼酎!」というでしょう。実は焼酎がそんなに得意ではないのですが、そんな私でも黒糖焼酎は比較的いけます。ということで、今回は「高倉」や「JOUGO」で有名な奄美大島酒造さんと、「れんと」で有名な奄美大島開運酒造さんに行ってきました。 奄美大島酒造さんは、地元の人情報によると、唯一島のサトウキビを使ってお酒を造っているメーカーさんだそうです(他がそうじゃないことに驚いた…)。写真の巨大な焼酎が目印です。工場とお店が併設されていて、どちらかというとお店メイン(工場は自由に見学できます)。かなり色々飲ませていただけます(私は運転手なので見ているだけですが…)。

奄美酒造1 奄美酒造

一方、奄美大島開運酒造さんは、工場見学に力を入れています。恐ろしくマーケティングセンスの高いメーカーさんだと思います。工場見学の面白さ、試飲スペースでの心配り、お客さんの心をつかむ工夫が随所にされています。ちょっと感激しちゃいました。味ももちろん美味しいです。こちらには焼酎を熟成させた「紅さんご」という銘柄があって、私はそれを購入して帰りました。

れんと1 れんと2 れんと3

おすすめ④ 田中一村記念美術館
ここは、美術が好きな人には絶対に行ってほしいところ。私も奄美に行くまで田中一村という人を知りませんでした。「日本のゴーギャン」とまで言われている、生涯無名で終わった画家です。まったくの余談ですが、私はゴーギャンを好きません(笑)田中一村は、なんというか、もっと繊細です。旅先にも拘わらず、思わず絵を購入してしまいました。もちろん複製ですが^^; こちらは美術館のつくりも素敵ですし、「奄美の郷」という、奄美大島の文化を紹介する施設の中に併設されているので、ぐるっと見て回ると良いと思います。

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おすすめ⑤ 奄美海洋展示館
ここはもう、何を推すってカメです。カメにエサがやれます。ってか触れます。ハワイでやったら怒られるやつです。誰も怒りません。カメさんは見た目通り、肌が固いです。そして、結構人慣れしています(笑)カメが好きだったら、こちらにぜひどうぞ!

かめ 亀2

番外編 お土産と蝶々を探して「ビッグツー」
観光地と言えば、お土産屋さん。あちこち行く時間はもったいないけど、できるだけいいお店で買いたいと思うもの。奄美大島だったら、断然おすすめなのが「ビッグツー」です。まず大前提として、奄美大島には大きなお土産物屋さんというものがあまりありません(空港にはあります)。大きくて、品ぞろえが豊富で、しかも庶民価格というと、この「ビッグツー」が絶賛おススメです。地元の人も使う大型ホームセンターなので値段もお手頃ですし、商品も充実(試食も多い!)、お酒もそろっています。そしてどういうわけか、日本で最大の蝶オオゴマダラと触れ合える「蝶ハウス」が併設されています。なんと、さなぎが黄金なんです。蝶々が好きな人はぜひ。かわいいです!

ようちゅう さなぎ ちょう

■今回お世話になったお宿

さて、奄美大島はお宿も限られています。最近はお高いリゾート系も増えてきているようですが、私は奄美にそういうものを求めていないので、「ちょっとこぎれいな民宿」というラインを狙っています。あと、海が近いのがマストですね。そういう視点で、北と南で二つご紹介します。

お宿ねぷす(瀬戸内町)
私が奄美大島ではじめてお世話になったお宿です。イケメンで親切なお兄さんが一人で切り盛りされています。お宿のご飯もおいしいですし、外で食べたかったら近くの町までお兄さんが送って行ってくれます(それで「食酒坊旬」に出会いました)。海まで徒歩1分。窓を開けると波の音がします。かわいいにゃんこもいて、夜は外にハンモックを出して星を見ながらにゃんこと遊べます。

ほし

レスト&ロッジ 翔(笠利町)
私が奄美大島で一番好きな海岸土盛海岸まで徒歩2分のお宿です。人数、用途に合わせて、お部屋だけ借りることも、ロッジを1棟借りることもできます。とにかく海が近い。早朝、海にお散歩に行くと、カラフルなヤドカリに遭遇しました^^; そしてこの辺はあたりに民家も少ないので、星がすっごくきれいです。芝生に寝っ転がって星を見ていたら、流れ星を見つけました。
かい

■あなたの内側の何かと語り合う時間 ユタ様
奄美大島でもう一つ、もしご関心があるのなら行っていただきたいのが「ユタ様」のところです。ユタ様は、奄美地方と沖縄に伝わるシャーマンです。現在でもユタ様として活動している人は本当にわずか。しかも、「ユタです!」って看板が出ているわけでもありません。本当に関心があったら、島の人に聞いてあるって見てください。私の場合は、たまたま「食酒坊旬」さんで「そういえば…」くらいのつもりで話していたら、お店のご主人が「自分は困っているときに本当に助けられた。もし今関心があるなら、自分を見てくれた人を紹介する方電話してみな」と言われて、翌朝かけたらご本人につながり、とんとん拍子でお会いして、見ていただきました。おうちはごく普通のアパートでしたが、シャーマンとして祈る部屋は、全面白いレースで覆われていて、本土のものとはまた違う仏壇の良いなものがありました。黒糖焼酎とお塩と、志を包んでいきます。ユタ様にもよるのかもしれませんが、生年月日と名前と干支を書いてユタ様に渡すと、それを見てユタ様が神様とお話を始めます。この手のものを信じるも信じないも自由ですし、関心がある一方案外私は冷めていて、心理学などで解明できることが多いと思っているのですが、ユタ様については、ちょっとそういう次元を超えていました。私が小説を書いていたことを当てたのです。家族構成なども。これには驚きました。とてもありがたいお話が聞けました。

さて、ずいぶん長くなりましたが、奄美大島について特にお伝えしたいことを中心にまとめました。
情報量が少ない奄美について、ここまで広域にわたって多角的にまとめておけば、何かの役に立つのではないでしょうか。

私は、旅は好きですが同じ場所にはめったに行きません。普通なのか変わっているのかわかりませんが、私は一度通った道をかなり正確に覚えてしまうんです。なので、一回行った場所の記憶はかなり鮮明に残っていて、また行くのなら、他の場所に行きたいと思ってしまいます。

ただし、奄美大島についてはちょっと違います。
はじめて奄美に行った2016年4月の一人旅の際に思ったのですが、空港でレンタカーを借りて、はじめての道を走り出してすぐに思ったのです。「なんか、故郷に帰ってきたみたい…」って。
もちろん景色は南国で、とても埼玉の実家とは違います。そもそも初めて来たんです。なのに、「懐かしい」「落ち着く」と思った。正直観光地化されていないので、不便と言えば不便かもしれません。見る場所も少ないです。道ももう、ほとんど覚えちゃいました。でも、どこまでいっても「懐かしい」なんです。飽きない。それは、人が自分の故郷に対して飽きないのと同じような気がします。おそらくこれからも、アクティブな休暇というより、心身ともにリラックスしたいときの場所として、奄美に行くことになるでしょう。欲を言えば、向こうに家を借りたいくらいです(本気)。

私がそのくらい好きになった奄美大島。
今はLCCで簡単に行けます。忙しい人、旅慣れた人ほどおすすめ。心からリラックスできる場所が、そこにあります。

さくら しょくぶつ

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