そして私は母になる。

こんなブログを書くことになるとは、1年前は思ってもみませんでした。
人生は、本当にいつ何が起こるかわからないとつくづく思う。
だから人生は素晴らしいし、だから日々を一生懸命生きたい。

■2020年初夏、一人の人間の母親になるということ。
いま、私のおなかの中に、一人の命が育っています。不思議なもので、こう書き出すだけでもう涙が溢れてくるくらい、奇跡的で感動的な体験をさせてもらっています。私の中に来てくれてありがとう。私たちを選んでくれてありがとう。

予定では、2020年6月中旬に、この子はこの世界と出会うことになります。
まずは安定期まで乗り切ってくれてありがとう。それだけでもう、感謝しかない。あと半分。一緒に頑張ろうね。

子どもが宿るということは、私の想像を遥かに超えた経験でした。幸い私にはつわりというものがほとんどありませんでした。これは喜ぶべきことなのですが、つわりがある方が一般的ですし、逆に不安にもなりました。特に流産の確率が高い妊娠初期は、体調に変化のないことが逆に不安で毎朝にように起きては泣き、寝る前に泣き、病院に定期検診に行く度に不安で泣き、という暮らしをしていました。
ただ、つわりはなくとも他の症状はあります。信じられないほど疲れやすく、駅の階段だけでもう息が切れるし、18時には眠くなるし、メンタルは不安定になるし、頭痛や肩・腰の痛みなど、これにつわりも乗っている多くのお母さんたちはなんて偉いんだろうと思いました。ちなみに妊娠における流産の確率は15%にも及びます。高齢になればなおさらリスクは高まります。思いの外高いリスクへの恐怖だけでも、相当精神が疲弊しました。

■仕事の不安、暮らしの不安。でもそれより、生まれる喜び。
35歳を越えた辺りから、なんとなく自分の”産み時”については考えていました。その最中に子宮頸がんのもとになるウイルスに感染していることがわかり、絶望したこともありました。とはいえ、そもそも私は仕事人間で、当時は家庭を持ちたいという願望もなく、”まあなるようになるしかないし、どうなっても後悔はしない”と思っていました。妊娠する3ヶ月前には、こんな記事も書いていました。

正直、「先に産む」でも「あとで産む」でも「産まない」でもいいと思っている。なにが正解かは、自分で決めることなのだから。
「あとで産む」を選択して、結果的に産めないこともあるかもしれない。そうなったらそうなったで、仕方ないと思う。
一人の人間が試行錯誤した結果出した「たったひとつの尊い選択」なのだから、私はこの道を楽しみながら進もうと思う。

そんな私に突然の転機がやってきたのは10月初旬。面白いもので、自分の体の変化はすぐに分かりました。そして、一瞬も迷うことなく、「産もう」と決断できました。

私の事業は人を雇うタイプのものではないので、私が産休・育休に入ったら代わりがいません。そしてそれは、即収入を失うことを意味します。また、キャリアの中断は順調なビジネスの成長に悪影響を及ぼす可能性もあります。
それでも、「産む」以外の選択肢は1ミリもありませんでした。

自分の中に命がいる。
それがわかったとき、私が思ったのはただひとつです。

『この世界の美しさと、人の優しさを、ママがあなたに見せてあげる。』

あまりSNSでは書かないでいたパートナーのことをちょこちょこ書くようになったのもこの頃からでした。
すでに、お取引のあるお客さまには妊娠・産休についてご報告しましたが、みなさま温かい言葉をかけてくださり、本当に感謝しています。

■いま、このことについて公表する意味
安定期に入ったとはいえ、リスクは最後まで付きまといます。後期流産、死産、分娩中の事故、いくら医学が発達しても、今後なにかが起こる可能性もあります。情報開示するタイミングについては非常に悩みました。

ただ、SNSや自分のブログ、そしていくつかの媒体で記事を書かせていただく際に、どうしても今の状況に触れないままでは、深い文章が書けなくなってしまったのです。妊娠発覚以降、ハフポストさんや日経クロスウーマンでの記事の更新は一切止めています。自分の根幹を変える事態を伏せたまま、どうしても内面を深掘る記事を書くことができなくなってしまった。

また、情報を開示することで必要な情報が集まりやすくなるというのもありますし、スムーズに産休に移行する意味もあります。そんなわけで、安定期に入り、新年に変わったこのタイミングで、情報解禁することにしました。

もちろん、今後不幸なことが起こる可能性はあります。ただ私は、仮にそんな事が起きたとしても、それも含めて妊娠という体験を通じて得た感情の変化や身体の変化、女性のキャリアや現在の社会課題について感じたことを発信していきたいと思います。

■最後に、パートナーのことを少しだけ
ここまで書くと、当然どんなパートナーに恵まれたのか気になると思います。けれど、今のところそれを公表する気はありません。籍も入れません。形式上はシングルマザーという存在になります。
ただそれは、適当な思いとか、成り行きとか、無責任とか、そんなふうには思われたくなかった。私は、あの人の子どもを授かれてしあわせだから。

彼とはじめて会った日のことは今でも覚えている。私は初対面で、その才能と、豊かな感性と、繊細すぎる心に恋をした。時々バカバカしいこともするし、繊細すぎて手のかかることもあるけれど、それも含めて才能として愛している。

他愛もないやり取りしかしていない頃から、彼は私の仕事人としての側面ではないバカげたところやダメなところ、弱いところを自然に理解してくれて、それが私は心地よかった。彼は、私が安心して過ごせる場所になった。

行き違いから一度別れたけれど、結局私たちは別れきれなかった。同じことは繰り返さない私の人生で、唯一、もう一度ともに過ごし始めた人。

「子どもが出来た」と告げた時に、あなたは一瞬目を見開いてから、何も言わずに私を抱きしめてくれた。顔は見えなかったけれど、あのときあなたは泣いていたって、私は知っている。その日から、あなたは毎日おなかに話しかけるようになった。まだエコーでもろくに見えないサイズの頃から欠かさずに子どもを愛でて、「今のうちに二人の時間を楽しみたい」という私の希望を叶えようと、あちこち一緒に出かけてくれる。シンプルに、こんなに私に愛情を注いでくれる人は他にいないって私は知っている。だから私には、何の迷いもない。あなたに出逢えてよかった。

乗り越えなければいけない壁も、考えなければいけないことも、たくさんある。ただの美談だとは思っていない。
でも、私に出来ることはたったひとつしかない。それは、

『この子を誰よりもしあわせにすること。』

つまりそれは、私自身がしあわせに生きることであり、あなたをしあわせにすることです。

自分の選択に誇りと責任を持ちつつ、揺るぎなき愛情を持って、2020年、私は母になります。
初めての妊娠・出産、育児、仕事との両立、母親であることと女であることのバランス、命を背負うことへの責任感。不安も多いですが、とにかくひとつひとつ精一杯、そして「しあわせで居続ける」という目標を見失わずに。

ベビちゃん。早く会えることを楽しみにしています。
世界はとってもキレイで、ママのまわりにはステキな人たちがたくさんいるよ。

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コメント

  1. 松原 美里 より:

    おめでとうございます!
    エミリーさんの覚悟と溢れる愛に感動しています。
    心より応援しております
    できることがあったらお声掛け下さい。

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