あなたの好きなことを、やりなさい。

実は、体調を崩していた。

ここ1週間、全く酒が飲めなかった。
これは、普通の人が聞いても「ふうん。」かもしれないけれど、365稼働の下手したら3交代制的な勢いで飲んでいることを知っている人からしたら、深刻度がわかると思う。

この1週間、仕事が終わったら家に直帰して、ビールも開けずに身体に良さそうなものだけ食べて、アニメを見たり、本を読んだり、考え事をしたりして、ベッドに入った。「飲みに行かないとこんなに時間があるのか!!」と新鮮だった。

さすがにいろいろ考えた。
ああ、エイミーもついに終わったかな、とか、色々考えた。基本、ネガティブシンキングなオンナだ。

そんな私は、この体験で、かなりいろんなことを考えて、自分が想定していなかった感情や願望にも気づいたんだけど、結構生々しくて書けないことがたくさんあるので、ひとつだけ伝えたい。

 

■あなたの好きなことを、やりなさい。

特に、私より若い女性に伝えたい。

「あなたの好きなことを、やりなさい。」と。

私は比較的やってきたほうだと思っている。
それでも、いざ自分の身体に変化が起こると、「あれもこれもやっていけばよかった。」と思った。

ああ、今年は中国に行くはずだったのになあ、とか、エアーズロックが登れるうちに登るはずだったのになあ、とか、そもそも来月韓国に行くのはキャンセルしたほうがいいかなあ、とか。

こんなに好き勝手やっている私でも思うんだから、きっと多くの人が、思うんじゃないかなと思う。

 

■好きなことをやっている理由。

ある尊敬する経営者に「あなたにとって大切な言葉は何ですか?」と聞かれたことがある(若干違ったらごめんなさい)。
その時私は、こう答えた。

『自由』です、と。

人は、本当に予期しないタイミングで自由を失う。
それは時に、人生を左右する。

特に女性は、自分の意志とは反したタイミングで自由を失うことが多い。

結婚とか出産とか。

それは、ハッピーな理由ではあるかもしれないけれど、行動を制限されることには変わらない。

言っちゃうと、月々のモノとかも、かなり感情に影響をあたえるわけで、「脳でわかっていても心がささくれ立つ」という経験を、月々しているものだと思う。私たちは自分のホルモンや遺伝子からも支配されている。

度々書いているから、知っている人も多いと思うけど、私は最初の夫を精神の病気で失っている。
死んだのではなく、物理的に、法的に、失った。

そもそも、結婚するタイミングで正社員という職を失った。
夫の意向ではなかったけど、女性というものはそういう役割だと思っていた。

病状が深刻になってからは、夫が行きたい場所以外は行けなくなった。逆上されるから。
夫が好きなもの以外の食事は作れなくなった。机にぶちまけられるから。
夫の許しがないときは床で寝て、夫の許しがない外出はできなくなった。

勘違いしないでほしいのは、これは個人攻撃ではない。
全部病気のせいだった。そんな彼の治療に伴走できなかった私も冷徹で身勝手だったと思っている。

とはいえ、その状況下で耐えられる人間もそうそういない。
私は次第に、「家に帰ったら夫が自然死していたらいいのに。」と思うようになった。
そして、私を助けようとする人たちを憎むようになった。
「妻として不十分な私の恥に触れないで。これは私の落ち度。自分でなんとかするから。それが私の役割だから」と。

次第に、本当に優しい人たちにも敵意を剥き出しにするようになった。
自分の精神状況がどんどんおかしくなって、酷いときは言語を喋れなくなるようになった。
そして、夫が大きな蛆虫に見えるようになった。これがフィクションじゃないのだから泣けるわよね(笑)

 

■好きなことをやってみた

幸い私は、ある本がきっかけで逃げ出す決断をすることが出来た。
3回目の家出で成功した。

初めて自分のアパートで迎えた朝は今でも思えている。
床に毛布だけ敷いてクソ寒かった2月。カーテンのない部屋に入る太陽の光が神様に見えた。

自分のペースで起きて、自分が好きな目玉焼きを焼いた。それだけ食べた。ウルトラ美味しかった。好きなものを食べれるって尊いと思った。これだけで幸せだと思って泣いた。

自分が幸せになったら、人に対して優しくする余裕も出来てきた。
人に幸せを分けると、幸せが返ってくる。
その幸せで私のパフォーマンスはもっと上がって、もっと大きな幸せが返ってくる。

私は気づいた。
自分を幸せにできる人間が、もっと人を幸せにできる人間だ、と。
じゃあ、私にとって幸せってなんだろう。
それは、あの日の朝日と目玉焼き。つまり、自由だ。
私が好きなことをすれば、私は人を幸せにできる。

・・・と、そこから私は自分の自由だけを追求してきた。
一見自分勝手に聞こえるかもだけど、案外、間違った判断ではなかったと思っている。

 

■ふたたび、あなたの好きなことをやりなさい。

そうやって10年くらい好きなことばっかりやってきた私ですら、いざという時に「あれもこれも」と思うというのが、今回得た2つ目に大きな気付きだった。一番大きな気付きは教えない。生臭いから。

なので、繰り返しになるけど、「あなたの好きなことを、やりなさい。」

なぜなら人は、ある日唐突に環境が変わる。
そのときに、「私はもう、今のフェーズでやれることはやり尽くしていたわ。次はこっちのフェーズで、私らしく生きていくわ。」と思えたら、素敵だと思う。

だから私は、韓国も行くし、中国も行くし、行きたい場所にはどこでも行くし、やりたい仕事はみんなやるし、愛したい人を愛が冷めるまで愛そうと思う。

酒は飲めなかったけど、いい1週間だった。
あ、今日から飲んでいます。

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