全国47都道府県を踏破しました

旅が好きなのは、いつから始まったのか。

子供の頃から、地図を見るのが好きだった。
この場所からなにが見えるのだろうと妄想した。

道が好きだった。父にせがんで、よくドライブに連れて行ってもらった。
この道の先になにがあるのか考えるとワクワクして、何時間もクルマを走らせた。

畑にかかる鉄塔が好きだった。
このワイヤーはどこにつながっているんだろうと考えると、世界は凄まじく広いと思った。

自営業・共働きの我が家は、長期の休暇を取ることが非常に難しかった。
それでも両親は「夏の家族旅行」だけは死守してくれた。

2泊3日。どこに行くにもクルマ。
埼玉の田舎にとって新幹線も飛行機も遠く、一番手っ取り早くて気楽なのがクルマだった。

北は岩手の宮古。フェリーを使った旅だと北海道・網走。
南は京都。いや、伊勢も行ったかな。和歌山も行った。
目的地が遠いときは、夜の10時くらいに出て、翌日の昼頃に着く。
家族の中の役割は決まっていて、父が運転。私が地図。
母と弟は後部座席で寝るのがお仕事。

近場だと、箱根は何度も行った。未だに地図を見なくても大抵の道は覚えている。
富山の黒部渓谷も、我が家では珍しく2回行った場所。

北海道では、クルマに並走して美しい馬が走っていた。
石川の海でフナムシに集られて大泣きした。
佐渡ヶ島行きのフェリーで偶然幼稚園の同級生に再会した。
エトセトラ、エトセトラ。

旅は、私の記憶の大きな構成要素になった。

実家を出て、家族を得て、ほどなく一人になって。
実はそれまで、一人旅なんてしたことなかった。
一人でドライブはよく行っていたけど、宿泊を兼ねた旅は、一体いつが最初だったのだろう。
気がつくと、2018年の年初の時点で、残すところ、福井、高知、佐賀を制覇すれば、47都道府県を踏破することに気づいた。

なら、叶えなければ。
私はあまり、未来を信じていない。
明日には死んでいるかもしれないし、明日には事業が失敗しているかもしれないし、
明日には誰かの妻や母になっているかもしれない。

いつだって、私には「いま」しかない。

そう思って、春に福井、夏に高知を攻めた。
残ったひとつが佐賀だった。

そうしてやっと、目的は果たされた。
2018年11月17日。私は佐賀に降り立った。
なかなかいい気分だった。

旅はまだ終わらない。
見るべき場所、会うべき人は尽きない。

海外を入れるとまだまだ私の活動範囲は狭い。
今はオーストラリアに来ている。たぶん19カ国目なんじゃないかと思う。

これから行きたい場所。

スペインでサグラダ・ファミリアやコルドバを見て、ヴェニスで水に沈む街を憂い、ロシアでウラジオストクからシベリア鉄道に乗り、ウズベキスタンでシルクロードの世界に触れ、インドでガンジス川に手を合わせ、中国で光り輝く経済の最先端に触れ、ベトナムでメコン川に揺られ、アメリカでグランドキャニオンに驚嘆し、メキシコで本物のガルフストリームを見て、ボリビアでフォトジェニックなウユニ塩湖の写真を撮り、ノルウェーでオーロラを見て、エストニアのe-Residencyになる。
こんなの、ほんと、私の願望の一部でしかない。

だから私はこれからも歩き続ける。
明日には歩けなくなっているかもしれないのだから、ひたすら歩き続ける。

 

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