もちをつきながら一関のもち文化を味わい尽くす会!

自分の中で、すっごく重要で、だからこそ責任も感じていた会が、無事に終わった。

『もちをつきながら一関のもち文化を味わい尽くす会!』
1月18日(日)13時~
浜焼きバル・トレジオン(赤坂見附)

自分も今までいろんなイベントを開催してきたけれど、個人でやるものの中ではもっとも大きな会だったと思う。DSC_0239規模が、というより、事前の準備とか、根回しとか。
今月はこれの他にも自分主催のイベントが2つあるけど、とてもじゃないけどこれが終わらないと何もできないくらい、自分の中では重要だった。

では、なぜそんな会を開催したか。

この会を開こうと思ったきっかけは、2014年10月に一関で開催された「ご当地もちサミット」だった。
一関はおもちの文化が有名な地域で、なんと300種類以上のおもちの食べ方があり、お正月でなくとも、冠婚葬祭、いつにだってもちが食べられる。一説によると家庭用のもちこね機の普及率が80%とも言われている。そんな一関をPRする目的で、このサミットは開催されている。
私はこのイベントに合わせて東京から数名規模ではあるけれどツアーを企画し、東京から参加した。

で、もちを堪能したあとに、ご縁があって「おもち博士」に会うことになった。
その方が、一関を代表する酒造会社・世嬉の一酒造の佐藤会長と、奥様で専務の紘子さんだった。

ご夫妻は一関のもち文化発信に心血を注いでいらっしゃり、もち文化を広める「もち食推進委員」のメンバーでもあった。
私はそんな背景も知らずにお二人に会い、その膨大な知識量と、首都圏では考えられないもちカルチャーに驚き、ただただ感心して聞いていた。

ざっくりまとめると、一関のもち文化の特徴は下記になる。

1.お正月だけではなく、冠婚葬祭や農作業の区切りの日に「晴れの食」としてもちをいただく。
2.あんこ、くるみ、ずんだ、じゅうね、ぬまえび、、、と、なんと300種類以上のもちだれがあるといわれている!
3.原則としてつきたてのおもちを食べる。焼いたりはめったにしない!
4.正式なお席には「もち本膳」が出される。これは食べる順番からお作法まで決まってるおもち料理で、神聖なもの。本膳を食べている間はお酒を飲んではいけないという徹底っぷり。

で、いろいろお話を聞いて、そろそろ帰ろうという時間になったころ、紘子さんが私におっしゃった。

「そんなに一関のことが好きなら、東京で一関のもちを出す店を見つけてくださいよ。」

多分、深い意味はなかったし、軽い気持ちの一言だったんだと思う。
でも、この一言が私の心に火を付けた!

「そっか、そういうニーズがあるのか!それを叶えたらこの方はきっと喜ばれるに違いない!」

帰京してすぐに計画を練りはじめた。
いきなり飲食店にメニュー化を求めても、なかなかしんどい。
それに、単にメニューになっても、奥深い一関のもち文化まで伝えられるとは思えない。
だったらまずは一関のもち文化を伝えるイベントを開催して、それが上手くいったらメニュー化も検討しよう、と。

こういうイベントに適しているお店と言ったら、三陸を中心に東北の幸を出してくれる、我らがトレジオン。店長はすぐに快諾。

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次に仲間集め。一関ご出身でもちサミットにも一緒に行った「一関平泉大学」代表の小山さんと、同じく一関出身で「東北ふるさとづくりパートナーズ」代表の佐藤柊平くんに協力をお願いし、こちらも快諾。
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ここで初めて紘子さんに連絡したところ大変喜んでいただけて、正式にこのプロジェクトを動かすことになったのが11月。

で、そこからが大変だった。

なんせ「一関のもち文化を広める」ということしか決まっていない。どういった内容なら楽しみながら知識を深めてもらえるのか、そもそも何人くらい来るのか、いつ開催にすべきか、暗中模索だった。あとは、一関の年輩の方とやり取りをする場合、基本的にメールは難しい。FAXというカルチャーを久々に体験した(会社でFAXを使うことがあっても、基本的にPCで操作することが多い)。家にFAXがあるわけもないし、会社のFAX使うわけにもいかないから、都度都度コンビニに行くようだった。

でも、こういう時に必ず助けてくださる人が現れてくれるのが、私の人生のありがたいところ。

一関市役所の小野寺嘉奈さんはじめ、助けてくださったみなさま。「思い切ってもちつきをしよう!」となったときに具体的なアドバイスを下さった、世嬉の一の航さん。もち食推進委員会のみなさま、「もち検定」の問題を考えた岩手県立大学の山本先生、無理難題を聞いてくださったトレジオンの吉田店長・チャンさん・カメラマンも務めてくれた海都、一緒に運営をしてくださった小山さんと柊平くん、私すら知らなかったわが実家の杵と臼を出して準備をしてくれた両親、エトセトラ、エトセトラ。

こうして、皆様のおかげで素晴らしい会が開催できた。
もう本当に、今回は特に、周りのみなさまに感謝感謝のイベントだった。

イベントの内容としては、

・一関のもち文化の説明
・おもちつきの実演
・もち検定<入門><初級>にチャレンジ
・新商品”かてもち”の試食

などを実施。おもちつきの盛り上がりは、見ているこちらが心躍るくらいだった。
店内の空気が、もうものすごく、楽しいオーラに満ちていた。

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≪この日のために一関から来てくれた紘子さん、世嬉の一の土岐さん、岩手県立大の山本先生≫

実は当初の着地点としては、運営を入れて20人くらいの会になると想定していた。
でも、ふたを開けると、参加者24名(大人21名・子供3名)+東京運営3名+一関メンバー3名の、計30名。飛び入りで、テレビなどにもよく出ていらっしゃる国文学者の金田一先生(大のおもち好きとのこと!)にもいらっしゃっていただけた。
もちのポテンシャルの高さ、一関のポテンシャルの高さを、改めて感じた。

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軽トラックで実家に杵臼を返しに行き、再び東京に戻る電車の中でこのブログを書いてる。
すんごい疲れた。身体もだし、心も、ひと仕事終えて真っ白な感じ。

でも、ものすごく心地がいいのは、このイベントに関わってくれたすべての皆さんのおかげだと思う。

本当にありがとうございました。

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