築地市場から豊洲市場へ。ターレの引っ越し。

勝どきに住んで、もうすぐ丸6年になるらしい。
2012年11月末、六本木の会社に転職する関係で、池袋から引っ越してきた。
東京湾のそばに住みたい、六本木まで一本で通える場所に住みたい、この2点で勝どきに決めた。オリンピックのことなんて意識していなかった。
そして2013年9月8日、東京オリンピックの開催が決定した。

築地市場が移転するのはもちろん知っていたけど、いつの話かあまり興味はなかった。
そして10月6日、偶然載ったタクシーの運転手さんが、
「築地も今日で最後、明日から3日間引っ越しですね。」と世間話をしてきた。
「これまで類を見ない大引っ越しになるそうですよ。マッカーサー道路(環状第2号線)を開放するんだそうです」と。

そこで俄然気になった。
築地そのものよりも、未開通のマッカーサー道路(環状第2号線)を使った大移動というのに興味を持った。

翌日、ニュースを見ると、早朝の引っ越しの様子が報道されていた。
ターレ(ターレットトラック)というものの引っ越しが特に注目されていることを、そこではじめて知った。
私も市場を遊び場にして育った人間だけど、地元の青果市場ではもっぱらターレよりフォークリフトが目についた。

マッカーサー道路は未開通の道なので、一般人は侵入できない。
私が住む勝どきも通過しているけど、高架構造で撮影には向かない。
幸い3連休の中日だったので、写真撮影が可能そうなスポットを徒歩で探し、晴海にある月島警察署前の交差点(晴海五丁目)に標準を絞った。

10月8日、早朝4時。前日0時近くまで飲んで帰ったので3時間くらいしか寝ていなかったが、なんとか起床。現場に向かう。東京の朝は、まだそんなに寒くない。

アマチュアカメラマンが殺到しているかと思いきや、ついた時に現場にいたのは25〜30名ほどだった。まだ始発前だし、地元の人中心の様子。

5時に築地を出たターレのいち群は、5時7分くらいに交差点にやってきた。
カメラを構える。昨年買ったばかりの相棒キヤノンのPowerShot G1 X Mark IIIはめちゃくちゃお利口さんだ。

はじめてみた瞬間に、思わず「かわいい!」と叫んでしまった。
そのくらい、一列に並ぶターレはチャーミングに見えた。

最初は交差点で撮影していたけれど、そのうち一部のカメラマンたちが豊洲寄りの道路に入れる事に気づいた。
わらわらとカメラマンたちの移動が始まる。想像以上にギリギリまでターレに接近できた。

ターレの運転手たちも慣れたものだ。
中には手を振ったり、またねー!と声をかけてくれる人もいる。
信号待ちの関係で、何台かの群れになって、新しい市場のある豊洲へと向かっていった。

ちなみにこの撮影スポットは立ち入りNGだったらしく、3分ほどで警備員さんがやってきて追い出された。ここで撮れたのは、本当に奇跡だった。

最初は市場の引っ越しすら意識していなかったのに、撮影を終えたときはすっかりいい気分になっていた。
新市場には色々問題もあるわけだけど、古い市場にも色々問題があったわけで、私は難しいことはわからないけれど、彼らのビジネスが、より良いものになればいいと思う。そう祈ることしか、私には出来ない。

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