「週刊ダイヤモンド」「週刊東洋経済」 2019年予想読み比べ

私の中で毎年恒例となっている、「週刊ダイヤモンド」と「週刊東洋経済」の年末年始合併号の読み比べ
今年もやりました。

そもそも、年末年始の合併号を知らない人もいると思うので簡単に説明すると、ビジネス誌の両雄であるこの2誌は、毎年年末に「翌年の社会がどうなるか?」をあらゆるビジネスの角度から予測する号を発行します。
ダイヤモンドは「2019年総予測」で、東洋経済は「2019年大予測」で、ビミョーにタイトルは違うけど、まあやりたいことは一緒です。

度々、同じような企画を同じタイミングで仕掛けて話題(?)になる2誌ですが、この年末年始企画は毎年恒例。
で、これを読み比べることを年末年始の休暇の課題としています。

■そもそもなんでやるの?
理由はいくつかあります。お仕事でお付き合いがあるというのもありますが、主に下記の3つです。

1. 2019年がどうなるのか、世の流れを見る上での着眼点を偏りなく知りたい
2. 自分がキャッチアップできていない世界のことを広くざっくり把握したい
3. ダイヤと東経の違いを把握したい

3は完全にお仕事目線ですね。あと、同じテーマで2誌読むことで、知識が定着しやすくなるし、視点の偏りが避けられるというメリットもあると思います。重要なのは1と2かと。

1は、「着眼点」としたところに意味があると思っています。この雑誌を読んで「こうなるんだ、ふーん」じゃ、意味がないとは言わなけどちょっともったいないかと。だって結局「予想」は「予想」なんです。しかも、読んだ内容をいつまでも正確に覚えていられないし、覚えていることそのものにあまり意味はない。
それよりも、実際に生活していく上で、「ああ、米中問題は2月末〜3月がひとつのヤマだな。」とか、「EUはブレグジット以外もなんとなくウォッチしておいたほうが良いな。」と、意識するポイントを定める上で、この合併号は読む意味があると思う。

2は、まんまですが、私自身は結構偏りがある人間です。ビジネスの中でも、関心がある分野は結構狭い。IT、ベンチャー、イノベーション、国際、思考術などのスキル・プロセス系とか。弱い部分だと、金融(笑) あと、結構常識的なことを知らない。
なので、ここで一通り普段読まない分野も目に入れておくことで、少しアレルギー対策をするというか、インプットが大事なんです。

週刊ダイヤモンド「2019年総予測」

全体を「経済」「地政学」「金融」「産業」「政治・社会・スポーツ・文化」の5分類して、業界リーダーや識者のインタビューを豊富に掲載。
随所に対談等あり。昨年との違いとしては、外国人識者のインタビューが増えた気がする。
全体的にポジティブな印象。個人的には、「そんな楽観予測で良いの?」という感じ。
「超入門編」としてイントロ部分に、仮想のキャラクター3名を使った読み物を用意していたけど、個人的にはそこまで効果的とは思えなかった。あと、全般に渡って、「金融・投資」の色が強かった気がするのは、私はその分野を苦手としているせいなのだろうか。「週刊ダイヤモンド」は総合ビジネス誌だけど、昨今「金融・投資」のカラーが強くなっている気がする。

本題とあまり関係なくて恐縮なのですが、私が一番印象的だったのはキヤノン会長兼CEOの御手洗冨士夫氏のインタビュー。
キヤノンのことやカメラ市場について語ったメインの部分ではなく、インタビューの一番最後に、「自身の引退」について語っていた。

「まったく計画がない」と断った上で、こう続く。

でもやりたいことは生きている限り尽きないかもしれないね。
企業も人も常に完璧って状態はないし、死ぬまで生きているものですからね。

と語っていて、すべてのインタビューの中で、この人が最も「自分の言葉」で「自分のこと」を話しているな、と思った。

週刊東洋経済「2019年大予測」

それに比べて、東経は慎重だ。
のっけから「英語話せるようになろう、って風潮だけど、話せた先に何をするのかのビジョンが欠けたままでいいの?意味なくね?」的なオクスフォード大学教授の刈谷剛彦先生の寄稿や、「ユニコーン企業が日本で生まれない理由」というデータロボットCEOのジェレミー・アシン氏のインタビューが続く。

構成で圧倒的に違うのは、東洋経済は「平成30年間のニッポンの足跡」という特集を頭に持ってきていて、その他の特集でも「平成期間内の変化」とか「平成の教訓」など、「平成」をすごく意識していた。これは、「平成」というキーワードに敏感になっている日本人が多いことを考えると、特集の組み方としてよかったなあ、と。

平成特集の後は、「国内産業」「世界政治・経済」「国内政治・経済」「株&マネー」「スポーツ&カルチャー」「ブックガイド」と分類される。各章の下の小分類は、ダイヤモンドほど細かくなくて、細部に特化するというより、全体の潮流をつかみやすい印象。
あと、付録として「会社四季報 業界地図 2019特別版」がついてくるのもありがたい。

■総論
で、読んでみて、まあ読み応えありましたが、やっぱり良かったです。
重要なテーマなのに、全くスルーしていた問題もたくさんあることに気がつけました。

これはあくまで感覚的な問題、かつ好みの話なのですが、私は東洋経済派だったりします。実は昨年も同じことを思っていて、今年も同じ感想でした(特に営業目的とか、忖度はしておりません・苦笑)。
おそらく、私自身が社会に対して結構慎重で、その考え方と東洋経済の論調が合っているのかな、というのもあるのですが、今回については構成の面で、「東洋経済」が面白かったなあ、と。

本当は三が日のうちにまとめたかったのですが、他に並行して読んでいる書籍もあり、遅くなってしまいました。
とはいえこの号はそんなにすぐ古くなる内容でもないので、バックナンバーを読んでみるのもいいと思います。
お正月ボケ解消にもなるかも?(笑) おすすめします。

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